公開日:2025年12月25日
接骨院・整骨院を開業する方にとって「どんな機器を導入すればいいか」は最大の悩みどころではないでしょうか。
現在の接骨院・整骨院経営は保険請求だけではなかなか立ち行かない時代であり、自費メニューの展開も見据えた戦略的な機器選定が欠かせません。
本記事では、全国1,700件以上の開業支援実績を持つ「ジョイパル」の視点から、失敗しない機器の選び方とおすすめ機種を解説します。
接骨院・整骨院の開業に必要な情報については「柔道整復師が開業するには?必要な条件・手続き・費用をわかりやすく解説」の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
柔道整復師が開業するには?必要な条件・手続き・費用をわかりやすく解説
柔道整復師として独立・開業したいと考えている方にとって、資格を取っただけで開業できるわけではありません。実務経験や施術管理者研修、さらには保健所や地方厚生局への届出など、複数…
整骨院、接骨院の開業支援ならジョイパル
接骨院・整骨院の機器選びで失敗しないための3つの基準

接骨院・整骨院を開業する際、どの機器を選ぶかは経営の安定を左右します。「何となく良さそう」で選ぶのではなく、明確な基準を持って選定することが必要です。
失敗しないための判断基準は以下の3つです。
- 「誰のどんな悩みを解決するか」自院の強みから逆算して選ぶ
- 自身の技術・経験と照らし合わせ、使いこなせるか判断して選ぶ
- 院の規模やオペレーション効率に合わせて選ぶ
それぞれの基準について見ていきましょう。
「誰のどんな悩みを解決するか」自院の強みから逆算して選ぶ
接骨院・整骨院における機器選びの出発点は「ターゲット層の深い悩みを解決できるか」という視点をもつことです。
「なんとなく良さそう」という曖昧な理由で選ぶのではなく、自院のコンセプトや強みに合致した機器を選定します。その機器が、単価アップやリピートにつながる「経営の武器」となるかどうかが判断基準です。
自院のコンセプトと選ぶべき機器の例
- スポーツ外傷に特化:早期回復を促す微弱電流治療器
- 美容メニューを強化:引き締めや運動効果が期待できるEMSや筋膜リリース機器
- 慢性腰痛へのサポートが強み:深部まで届くハイボルテージやショックウェーブ
ターゲット層の悩みにダイレクトに応える機器を選ぶことで、満足度が上がり、自然と集客につながります。自院の強みを最大限に活かせる機器を選びましょう。
自身の技術・経験と照らし合わせ、使いこなせるか判断して選ぶ
どれほど高機能な機器であっても、施術者が使いこなせなければ宝の持ち腐れです。
自分自身の技術や経験と照らし合わせ、無理なく扱える機器かを見極めます。自分だけでなくスタッフでも再現性高く扱えるかも重要な視点です。
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機器タイプ |
技術習得の難易度 |
特徴 |
|
矯正機器 |
高い |
トムソンベッドなどは熟練の技術が必要 |
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物理療法機器 |
低い〜中 |
操作がシンプルでスタッフも扱いやすい |
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検査機器 |
中〜高い |
エコー等は画像の読影スキルが必要 |
例えば、トムソンベッドなどの矯正機器は、施術者の技術習得が必須条件となります。十分な知識と技術がないまま導入しても、期待する効果は得られません。
逆に、操作がシンプルな機器であれば、スタッフ教育の負担も減ります。導入後の運用イメージを持ち、継続的に活用できる機器を選んでください。
院の規模やオペレーション効率に合わせて選ぶ
開業時の接骨院・整骨院の規模やスタッフ数も、機器選びの重要な要素です。
ワンオペ開業が増加する中、場所を取る機器や着脱に手がかかる機器を見送るケースも増えています。
限られたスペースと人員で、最大限の回転率を生む「時短・高効率」な機器を選ぶ視点が求められます。
例えば、装着が簡単なハイボルテージや、短時間で変化を感じやすいコンビネーション治療器は、ワンオペ院の強い味方です。
スタッフが多い場合は、複数の患者様を同時に施術できる機器を導入することで、回転率を高められます。
院の運営体制に合わせて、最適な機器を選びましょう。
【目的別】接骨院・整骨院経営を安定させるおすすめ機器の選び方

ここからは、目的別に医療機器トレンドを紹介します。患者様のニーズに応えつつ、経営を安定させる機器を選ぶことが成功への近道です。
注目すべき5つのカテゴリは以下のとおりです。
- 痛みの早期緩和で信頼を獲得し、継続的な施術へ誘導しやすい機器
- 早期回復とコンディショニングで、アスリート層のニーズを満たす機器
- 美容ニーズに応え、女性客の単価アップを実現する機器
- 患部の可視化と数値化で説明力を高め、通院継続率を向上させる機器
- 矯正やリラクゼーションで、患者満足度と定着率を高める機器
それぞれの特徴とおすすめの活用法を詳しく解説します。
痛みの早期緩和で信頼を獲得し、継続的な施術に誘導しやすい機器
激しい痛みをすぐに和らげたいという患者様のニーズに応えるには、即効性が期待できる機器が欠かせません。
深部の痛みにアプローチできる機器を導入することで、初回の施術で改善を実感してもらいやすくなります。結果として患者様の満足度向上につながり、継続的な施術のご提案がしやすくなります。
高い即効性が期待できるおすすめの機器
- ハイボルテージ:深部まで届く高電圧で疼痛を緩和する
- コンビネーション治療器:超音波と電気刺激を同時に与える
- 体外衝撃波:痛みに対し、組織の修復促進が期待できる
特に「トライレクトHV」は、ハイボルテージ、エムキューブ波、MCR(マイクロカレント)を1台に搭載した複合機です。省スペースでありながら多機能なため、痛みの緩和をはじめさまざまな施術ニーズに応える院の主力機器として活躍します。
実際に導入した方の使用体験談は、下記動画でご確認ください。
早期回復とコンディショニングで、アスリート層のニーズに応える機器
スポーツ現場やアスリートのケアでは、早期回復とコンディショニングに特化した機器が求められます。
試合に向けて調整したい、というニーズに応えるため、損傷部の回復をサポートする機器が人気です。コンパクト設計で持ち運びに便利なポータブルタイプも注目されています。
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機器の種類 |
期待できる主な効果 |
おすすめの用途 |
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微弱電流(マイクロカレント) |
組織修復・回復サポート |
急性期のケガ |
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ラジオ波 |
深部加温・柔軟性向上 |
コンディショニング |
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酸素ボックス |
疲労回復 |
全身のリカバリー |
中でも「フィジオアクティブHV2」は、コンパクトなボディにハイボルテージ電流と微弱電流機能を搭載しています。往診にも手軽に持ち運べるため、スポーツトレーナー活動を行う先生にも最適です。
弊社ジョイパルでも取り扱っています。
美容ニーズに応え、女性客の単価アップを実現する機器
女性層の集客とサービス拡充を図るなら「きれいになりたい」という女性の思いをサポートする機器の導入が選択肢となります。
むくみを取りたい、姿勢を良くしたいといった悩みには、エステ発祥の技術を応用した機器が活躍します。
女性に人気のケア・コンディショニング機器
- 筋膜リリース機器:吸引により筋膜の滑走性を改善する、血流を促進する
- EMS:電気刺激により筋肉を収縮させ、筋力維持をサポートする
- ラジオ波:温熱により代謝向上をサポートする
ファストトレーナーは、短時間・省スペースでトレーニングができる機器です。専用ラップを装着するだけで、忙しい女性でも気軽に利用できます。継続的なご利用につながりやすく、院の特色づくりに役立ちます。
弊社ジョイパルでもご用意しています。
患部の可視化と数値化で説明力を高め、通院継続率を向上させる機器
接骨院・整骨院で患者様の納得度を高めるためには、患部の状態を「可視化」することが重要です。
自分の体の状態を目で見て確認したいというニーズに対し、客観的なデータを示すことで説明力が飛躍的に向上します。
近年、客観的な評価を重視する観点から、下記を導入する院が増えています。
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機器の種類 |
可視化できる内容 |
活用のメリット |
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超音波観察装置 |
筋肉・腱・靭帯の状態 |
患部の状態を観察・共有できる |
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高精度体組成計 |
筋肉量・体脂肪率 |
体の変化を数値で追える |
エコー(超音波観察装置)は、画質の向上と低価格化が進み、導入のハードルが下がっています。患部の状態をリアルタイムで見せることで、施術計画への納得感が高まり、通院継続率の向上に寄与します。
ジョイパルでは、高性能体組成計について、中古品も含めて多数のラインナップを抱えています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
矯正やリラクゼーションで、患者満足度と定着率を高める機器
痛みの緩和だけでなく、体のバランス調整や癒やしを求める患者様には、矯正やリラクゼーション効果が期待できる機器を使用した自費診療が有効です。
「体が軽くなる」「施術後にリラックスできる」といった体感価値を提供することで、治療目的だけでなく通いやすさを感じてもらいやすくなり、結果として通院の定着率向上につながります。
強い刺激を伴わず、横になったまま受けられる施術が多いため、体力に不安のある高齢者の方にも安心して利用いただけ、満足度向上に貢献します。
体のバランス調整とリラクゼーションに役立つ機器
- トムソンベッド:患者の体重を利用した身体調整施術をサポートする機器
- ウォーターベッド:水圧による全身のマッサージ
トムソンベッド(ゼニス440など)は、身体への負担が少ない調整施術が可能です。
自費の矯正メニューとして単価アップが見込める一方、施術者の技術力が求められるため、導入後の研修体制も考慮しましょう。
経営視点で見る!機器の選び方が接骨院・整骨院にもたらすメリット

接骨院・整骨院における機器の導入は、単に施術の幅を広げるだけでなく、経営面でも大きなメリットをもたらします。
機器をうまく活用することで、収益構造の改善や集客力の向上、さらには施術者の負担軽減まで実現可能です。
ここでは、経営視点から見た3つの具体的なメリットを解説します。
手技と組み合わせて自費メニューへの移行・単価アップがスムーズになる
保険診療のみに依存した経営からの脱却において、接骨院・整骨院における機器の導入は強力な推進力となります。
手技のみの施術では、時間当たりの単価に限界がある場合があります。一方、機器を組み合わせた施術プランを提供することで施術の選択肢を広げ、患者ニーズに応じた自費メニューの構築が可能です。
機器を活用した自費メニュー例
- ハイボルト+手技:早期疼痛緩和コース(単価アップ)
- EMS+骨盤矯正:産後ケアコース(新規層開拓)
- 微弱電流+テーピング:スポーツコンディショニング(定期利用の促進)
例えば「ハイボルテージで痛みを抑えてから手技を行う」といった流れを作れば、短時間で高い効果が期待できます。結果として、患者様の満足度を上げながら、客単価の向上を実現しやすくなるのです。
地域で導入の少ない機器が他院との明確な差別化・集客のフックになる
競合が多い地域において「あの機械があるから行く」という来店動機を作ることは非常に重要です。
近隣の院にはない最新機器や珍しい機器を導入することで、強力な差別化ポイントになります。機器をアピールすれば、新規集客のフックとしても機能します。
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差別化につながる機器の例 |
アピールポイント |
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体外衝撃波 |
慢性的な痛みへのアプローチをサポート |
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酸素ボックス |
リカバリーサポート機器として訴求 |
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最新のEMS |
筋肉へのアプローチをサポート |
「地域初導入」などのキャッチコピーは、患者様の関心を引きつけます。他院との違いを明確に打ち出し、選ばれる院作りを進めましょう。
施術者の身体的負担を軽減し、長く安定した経営が可能になる
接骨院・整骨院経営を長く続けるためには、施術者自身の健康管理も欠かせない要素です。
すべての施術を手技だけで行おうとすると、指や腰への負担が蓄積し、怪我や体調不良のリスクが高まります。機器を適切に活用することで、身体的な負担を分散させることが可能です。
機器活用による負担軽減のメリット
- 指や腰への物理的な負担が減る
- 機器稼働中に休憩やカルテ記入ができる
- どのスタッフでも均質な施術が提供できる
機器に任せられる部分は任せることで、施術者は問診やコミュニケーションに注力できます。心身の余裕が生まれることで、サービスの質も向上し、結果的に安定した経営につながります。
機器は新品・中古・リース・レンタル?賢い導入比較

接骨院・整骨院に導入したい機器が決まったら、次は「どうやって導入するか」を検討する必要があります。
購入方法は主に「新品購入」「中古購入」「リース契約」「レンタル」の4つがあります。各導入方法のメリット・デメリットを以下の比較表にまとめました。
新品・中古・リース・レンタル?賢い導入方法の比較
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導入方法 |
初期費用 |
総支払額 |
所有権 |
特徴・メリット |
デメリット・注意点 |
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新品購入 |
高い |
最も安い |
あり |
最新機能が使え、メーカー保証も充実。長期的に見ればコスト安。 |
まとまった資金が必要。減価償却の事務処理が発生する。 |
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中古購入 |
安い |
安い |
あり |
初期費用を抑えられる。掘り出し物があればお得。 |
在庫限りで選べない。保証期間が短い。故障リスクがある。 |
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リース契約 |
0円 |
割高 |
なし |
初期費用0円で導入可。経費計上しやすく節税効果がある。 |
総支払額は購入より高くなる。途中解約ができず審査が必要。 |
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レンタル |
0円〜 |
割高 |
なし |
短期利用が可能。気に入らなければ返却できる。 |
長期利用すると割高になる。機種が限定される場合がある。 |
開業時は手元の現金を残しておくことが重要です。そのため、初期費用がかからない「リース契約」を選ぶケースが多く見られます。
一方で、長く使う主力機器であれば、総支払額が抑えられる「新品購入」や、状態の良い「中古購入」も選択肢に入ります。
まずは複数のパターンでシミュレーションを行い、無理のない資金計画を立てることが大切です。
ジョイパルでは、これらの導入方法を含めた資金計画の相談も承っています。
接骨院・整骨院の機器の選び方に関するよくある質問
接骨院・整骨院における機器の選び方についてよく聞かれる疑問にお答えします。
開業時に必要な医療機器一式の費用相場はどれくらいですか?
接骨院・整骨院開業時に揃える機器の費用は、導入する数やスペックによって大きく異なりますが、一般的には 200万円〜600万円程度が相場と言われています。
最低限の物理療法機器(低周波、干渉波など)やベッド、ホットパックなどの基本セットであれば200万円程度から可能ですが、自費メニューを強化するためにハイボルテージや超音波治療器、EMSなどを追加すると、300万円〜600万円程度の予算を見込む必要があります。
予算オーバーを防ぐためには、最初に「絶対に外せない機器」と「あったら良い機器」を明確に分けることが重要です。まずは必須機器から揃え、経営が軌道に乗ってから追加導入するのも賢い方法です。
特に高額な自費メニュー向け機器は、開業後の患者ニーズを見極めてから段階的に導入することも検討しましょう。
「開業時の資金については「接骨院・整骨院・整骨院開業費用は最低いくら必要?資金ゼロ・開業費用を抑えるポイント」で詳しく解説しています。
接骨院・整骨院開業費用は最低いくら必要?資金ゼロ・開業費用を抑えるポイント
「接骨院を開業したいけれど、いくらかかるのかわからない…」「まとまった資金がないけれど、本当に開業できるの?」 このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか? 接骨…
整骨院、接骨院の開業支援ならジョイパル中古医療機器とリース契約、結局どちらがお得ですか?
「お得」の定義によりますが、総支払額を抑えたいなら中古、初期費用を抑えてキャッシュフローを重視するならリースがお得と言えます。
中古機器は安く購入できますが、故障時の修理費が高額になるリスクがあります。一方、リースは月々の支払いが経費として計上できるため、節税効果が見込めます。
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比較項目 |
中古購入 |
リース契約 |
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重視する点 |
総支払額の安さ |
資金繰りの安定 |
|
向いている人 |
修理リスクを許容できる人 |
開業資金を温存したい人 |
接骨院・整骨院の開業直後は予期せぬ出費が発生しやすいため、手元の現金を残せるリース契約を選ぶケースが多いです。ご自身の資金状況に合わせて選びましょう。
狭いテナントの接骨院・整骨院にもおすすめの機器は何ですか?
接骨院・整骨院のスペースが限られている場合、1台で複数の機能を備えた「複合機」や、場所を取らない「ポータブル機」がおすすめです。
大型の機器を導入すると、動線が悪くなり、施術効率が下がる恐れがあります。コンパクトでも高単価メニューが作れる機器を選びましょう。
狭いテナントにおすすめの機器
- 複合治療器:ハイボルト、EMS、MCRなどが1台に集約
- ポータブルエコー:タブレット型で持ち運び自由
- ハンディ型マッサージ機:筋膜リリースなどを手軽に実施
例えば、複合機であれば、急性期の痛みへのアプローチから、慢性的な身体の不調へのケアまで、幅広い施術ニーズに対応できる可能性があります。
省スペースで最大限の売上を作るための機器選定が、狭小テナントでの成功のカギとなります。
接骨院・整骨院の機器の選び方で迷ったらジョイパルで見学・体験を
本記事では、接骨院・整骨院の機器選びの基準やトレンド、導入方法について解説しました。
失敗しない機器選びで最も重要なのは「誰のどんな悩みを解決したいか」という自院のコンセプトを明確にすることです。
「流行っているから」「安かったから」という理由だけで選ぶと、無駄な投資になってしまうリスクがあります。ターゲット層のニーズに合致し、経営の武器となる機器を選定してください。
また、カタログスペックだけで判断せず、必ず「実機体験」をすることをおすすめします。
実際の操作感や患者様への当たり心地は、触ってみないと分かりません。自分自身の体で変化を実感し、納得した上で導入することで、自信を持って患者様に提案できるようになります。
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