2025年07月15日
整骨院で保険を使って施術を受けたあと、しばらくしてから「受診照会」という書類が健康保険組合などから届くことがあります。
でも、初めて見ると「これは何?」「書かないとどうなるの?」「整骨院に書いてもらっていいの?」と戸惑ってしまいますよね。
実際、受診照会を無視してしまったり、期限が切れてしまったりした場合、思わぬトラブルにつながることもあります。
この記事では、整骨院で施術を受けたあとに送られてくる「受診照会」の目的や書き方、返送しなかった場合のリスクなどをわかりやすく解説します。
整骨院の受診照会とは?
受診照会とは、健康保険組合や協会けんぽなどの保険者が、整骨院で施術を受けた被保険者(=あなた)に対して送る確認書類のことです。
具体的には、次のようなことが書かれています。
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いつ、どこで整骨院を受診したか
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どのようなケガや症状だったか
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医療機関(整形外科など)にも通っていたか
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施術の内容を覚えているか
このような内容を記入し、指定の返信用封筒で返送するよう求められます。これは「受療照会」と呼ばれることもあります。
以下は、受診照会の記入例(表面・裏面)です。内容が不明な場合は整骨院に相談し、正確に記入しましょう。
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受診照会(施術内容等の照会)回答 記入例【表面】
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受診照会(施術内容等の照会)回答 記入例【裏面】
出典:カシオ健康保険組合|施術内容等の照会について
なぜ整骨院で保険を使うと受診照会が届くのか?
保険者が受診照会を送る理由は、主に次の3つです。
- 整骨院の保険診療が適正かどうかを確認するため
- 整骨院の重複請求(ダブル通院)を防ぐため
- 整骨院では診断書が出せないため、患者の回答が必要
それぞれ、説明します。
整骨院の保険診療が適正かどうかを確認するため
整骨院で健康保険を使えるのは、以下のような「急性のけが」だけです。
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捻挫
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打撲
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挫傷(筋肉の損傷など)
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骨折・脱臼(ただし応急手当以外は医師の同意が必要)
例えば「肩こり」や「慢性的な腰痛」などは、本来保険が使えません。
しかし中には、保険外の施術でも保険を使って請求するケースもあるため、実際に施術を受けた本人に照会するのです。
詳しくは:整骨院は医療機関ではない?健康保険との関係や開業前に知っておきたいこと
整骨院の重複請求(ダブル通院)を防ぐため
たとえば、整骨院と整形外科を並行して受診していた場合や、複数の整骨院を“はしご”していた場合、重複請求の恐れがあります。
その事実確認のためにも受診照会が行われます。
整骨院では診断書が出せないため、患者の回答が必要
整骨院は医療機関ではないため、医師のように診断書を出すことができません。
そのため、患者本人の記憶や証言が唯一の確認材料になるのです。
整骨院の受診照会が届いたときの対応方法と書き方のポイント
受診照会が届いたら、内容を確認し、正確に記入して返送することが大切です。
ここでは、照会書の基本的な確認方法や、書き方のポイント、迷ったときの対処法について解説します。
書類の内容を確認しよう
照会書には「受診した整骨院の名前」「施術日」などが記載されています。
記憶が曖昧な場合でも、整骨院の領収書やメモなどを参考に思い出してみましょう。
書き方に迷ったら整骨院に相談してOK
内容がよくわからない場合、「整骨院に受診照会を書いてもらう」のは基本的にはNGですが、
自分で書けないときは整骨院に相談し、施術日や内容を確認してから記入するようにしましょう。
※照会書は“患者が自分で書く”ことが原則です。
受診照会の返送期限に注意しよう
「気づいたときには返送期限が切れていた…」という方も少なくありません。
その場合でも、できるだけ早く返送することで対応してもらえる可能性があります。
整骨院の受診照会を無視・未返送したらどうなる?リスクを解説
「無視したら何も起こらないでしょ…」と思う方もいるかもしれませんが、放置すると以下のような問題が起きる可能性があります。
- 保険請求が認められなくなる可能性がある
- 整骨院に迷惑がかかる恐れも
- 嘘の記載は絶対にNG
それぞれ説明します。
保険請求が認められなくなる可能性がある
受診照会を返送しないと、整骨院側に対して保険者からの支払いがストップする可能性があります。
その結果、整骨院から患者に自費での支払いを求められるケースもあります。
整骨院に迷惑がかかる恐れも
受診照会が返送されないと、保険者から整骨院に調査が入ることもあります。整骨院全体の信用が下がる恐れがあるため、無視は避けるべきです。
嘘の記載は絶対にNG
「覚えてないし、とりあえず適当に書いた」という方もいますが、
虚偽記載が発覚した場合、不正請求とみなされる恐れがあります。受診照会では、嘘を書かずに、正直に書くのが一番の対策です。
整骨院で保険診療を受けるときに知っておきたい注意点
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整骨院では慢性疾患(肩こり、疲労)は保険対象外
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整形外科と併用する場合は必ず申告を
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領収書や明細書は保管しておくと後から確認に便利
ちなみに、「整骨院で医療費明細書はもらえますか?」という質問も多いですが、
基本的に希望すれば出してもらえるので、保管しておくことをおすすめします。
整骨院の受診照会に関するよくある質問(FAQ)
Q:整骨院の受診照会とは何ですか?
A:保険者が施術内容の妥当性を確認するために送る照会書です。
Q:整骨院の施術内容照会を無視したらどうなる?
A:施術内容照会を無視すると、健康保険の適用が認められず、施術費用を全額自己負担しなければならない場合があります。
この照会は、整骨院で受けた施術が保険の対象かどうかを確認するための重要な手続きです。返送しないままでいると、不正請求と判断されることもあるため、必ず対応しましょう。
Q:整骨院で診断書は出してもらえますか?
A:整骨院では医師ではないため、診断書は出せません。
Q:整骨院の施術内容を覚えていないときは?
A:整骨院に確認し、正確な内容をもとに記入しましょう。
Q:整骨院の受診照会の書き方がわかりません。
A:落ち着いて内容を思い出し、必要なら整骨院に相談して対応しましょう。
整骨院の受診照会は正しく対応すれば心配不要!
整骨院で保険を使って施術を受けた場合、「受診照会」の書類が届くことがあります。これは、あなたを疑っているわけではなく、健康保険制度を適正に運用するための確認作業です。
大切なのは、以下の3点をしっかり守ることです。
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無視せず、期限内に記入して返送する
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内容が不明な場合は整骨院に確認する
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嘘は書かず、正直に対応する
整骨院の受診照会を覚えてない人も、まずは落ち着いて対応してみてください。
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